犬との因縁~スリランカ医療事情
それは、2016年8月の、ある晴れた昼下がりのことでした。
滞在している弊社センターに併設されている農園にて農作業。
鍬を担いで、いつものように草刈りにでかけます。
何せ、一年中「夏」のスリランカでは、雑草が伸び放題!
草を・・・ひいてもひいても、追いつかーん、泣。
・・・と、後ろから。
愛くるしい顔の犬たちがこちらを目指して走ってくるではありませんか。
彼らは、センターに滞在している(というか、勝手に住み着いた)犬たち。
なので決して野良犬ではないのすが、ほぼ限りなく野良犬に近い状態で育っています。
日本では、野良犬あんまり見かけなくなりましたねー。
スリランカには、めっちゃいます、野良犬。
そう、ここは南アジア。
忘れてはならないのは、狂犬病。
センターに滞在している犬たちは
めちゃくちゃヘルシーに毎食カレーを食べて育っていますが、
(※スリランカの犬は、カレーで育つのです・・・玉ねぎとか入っているけど大丈夫なのか・・・)
万一のことを考えて、犬には触らない、遊ばない、そしてなめられない!
野良犬には、愛情をもって、でも毅然とした態度で接しましょう。
しかーし、その昼下がり。
どういうわけか、ある一匹の犬がいきなり私の太ももにかぶりついたのでありました。
・・・といっても、甘噛み程度で、カスレ傷。
だけれども、ここは南アジア。
忘れてはならないのは、狂犬病。(リピート)
はい。そこからが大変。
犬にかまれたことより、そのあとの対処のほうが大変。
なにせ超絶田舎にあるセンターでして、
外国人はどこで狂犬病予防の注射を受けられるのか!?
スタッフ①「設備の整っている私立病院にいくべきだよ」
スタッフ②「でもCHISAは外国人だから、きっと特別高い料金とられるよ」
スタッフ③「政府病院って、外国人OKなの?」
・・・と、謎だらけ。
はい、ここで、スリランカの医療事情についての基礎知識。
スリランカには、政府病院と私立病院があります。
政府病院:すべての医療費が無料。ただし混む。設備も古い/衛生面が不安な点も。
私立病院:すべての医療費が有料。新しい設備が整い、名医も数多くそろう。
ということで、私が日本人であることを考慮し、スタッフはまず私立病院に電話をかけたのでありました。
結果、すべての狂犬病ワクチンは、政府病院のみに取り扱いを限る、ことが判明。
これは、貧困層の方々が犬にかまれて→お金を理由にワクチン接種を受けられない、という事態をなくすために、政府がとっている方針だそうな。
しかし、私は外国人。果たしてその接種方法は?はたまたいくらかかるのか?
ドキドキしながら、車で片道一時間、アヌナーダプラの都会にある、
ティーチングホスピタルに行きます。
※ちなみにここは、医療技術向上のために日本政府の補助によって建てられた政府病院。スリランカ各地からナースやドクターが学びに来ます。なので、日本人にとてもやさしい(気がする)(*´艸`*)
病院に行くと
①まずは、受付。名前と年齢、それから目的(診療科)を告げます。
CHISA「CHISAです。犬にかまれました」
スリランカナース「CHEESAですね」
CHISA「CHISAです。CHEESEとPISSAの掛け合わせみたいな名前です」
スリランカナース「あー。CH”E”SAですね。年齢は?」
CHISA「・・・はい、CH”E”SAです(諦め)。29歳です」
スリランカナース「独身?」
CHISA「・・・はい(関係ないだろ、苦笑)」
②その後は、内科で診察です。
アレルギーの有無や狂犬病のワクチン接種歴等、きちんと丁寧に聞いてくれました。
専用の狂犬病ワクチンカードに記入していきます。
(しかし、ここでも名前はCHEESA、なぜだ(# ゚Д゚))
③いよいよワクチン接種。両方の二の腕に「ぴっ」と、1回ずつ注射です。
ワクチン歴なし、噛まれてから接種の場合は、
犬にかまれてから24時間以内に1回、3日後に1回、7日後に1回、14日後に1回、1ヶ月後に1回・・・と続くそうな。
ただし、犬が元気な場合は、最後の1回は打たない場合もありとのこと。
④ワクチンカードに必要事項記載→犬を観察する旨伝えられ、帰宅です。
2週間後。
犬は、めっちゃ元気にカレーを食べているので、私は最後の1回のワクチン接種は免除でした。
さて。気になる医療費。
日本で打つと、おそらく数万円はかかるであろうワクチン(輸入のため割高)。
さあ、4回も打った私の総額医療費は・・・
すべて無料!!!!!!(驚)
えー税金、消費税(高いけど)くらいしか納めてないけど、いいんですか??
スリランカのために働きまーす!(ワクチン代くらいは)
って思っちゃうくらい、外国人にも超医療福祉国家なのでした。
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余談。
後日、私の誕生日(9月28日)が世界狂犬病予防デーだと知って、( ´艸`)笑。
何かの因縁か?カルマなのか??
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ただし、政府病院は激混みです。
受付に並ぶところから最後のワクチンまで・・・3時間くらい?
しかし、実に毎日多くのみなさんが、ワクチン接種を受けにきます。
しかも、ワクチンは外国の製薬会社から輸入のため、スリランカ政府はいったいいくらの予算をワクチンに費やしているのだろうか・・・。
2016年春頃から、いよいよ政府も野良犬対策に乗り出したようで、巨大・一区画に野良犬たちを集めているそう。
そこでの費用は、愛犬家の寄付によって賄われているようです(たぶん、政府も予算を出していると思いますが、私が情報の確証をとれていません)。
日本の保健所のように「殺処分」はしないと聞いています。
ま、しかし、野良犬は減ったという感じは・・・しない!
↓センターの犬にも赤ちゃん誕生・・・そして、このように触ってはいけない。
ドクターもきっと疲れることと思います。。。
そして薄給。
だから腕のいいドクターは私設病院にいってしまうのね。
私設病院では、ドクターは自分で診察料金設定をすることができるそうな。
そういえば、スリランカで動物病院はどうなっているのでしょうか。
また、そのあたりの事情が分かればブログに更新しまーす。
それでは、今日もよい一日を。